東京オリンピック観客最大一万人で調整

日本政府は7月に開幕する東京オリンピックの観客について、最大一万人とする調整に入った。近くから開かれる東京都と大会組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)国際パラリンピック委員会(IPC)との五者協議で正式に決定する。

ただ、観客を入れての開催については、専門家から新型コロナウイルスの感染を拡大させる危惧の声も上がっている。西村経済再生担当相は6月16日、専門家らによる新型コロナウイルス対策分科会で、大規模イベントでの観客の人数制限について、緊急事態宣言などが解除された地域では、「段階的な緩和措置として、最大観客動員数一万人という上限を設ける」と説明し、了承された。

西村氏は分科会後、東京オリンピックの観客上限についても「国内のスポーツイベントの上限規制に準ずることを基本として、6月中に5社協議の場で判断される」と記者団に語った。

大会組織委員幹部は、「5社協議でも政府の方針を追認するだろう」と指摘、複数の大会関係者は東京オリンピックでは「もう無観客はない」と強調した。

政府は現在、イベントの人数制限について、緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置の対象地域では最大で5000人、それ以外の地域では5000人の収容率50%の多いほうを上限としている。政府の中には現行の基準を当てはめると、宣言や蔓延防止措置が解除された状態で東京オリンピック開催を迎えた場合、開会式などの会場となる新国立競技場(6万8000人収容)に3万4000人の入場が可能になる為、「緩すぎる」との声も上がっている。

このため、7月以降は、緊急事態宣言と蔓延防止措置が解除された地域に限り、解除後一か月程度、一万人を上限とする経過措置を導入、東京都でも、7月23日に開幕する東京オリンピック前に解除されれば準用される見通しだ。

ただ、今後、東京都で感染が再拡大し、オリンピック期間中に緊急事態宣言や蔓延防止措置の対象となっていた場合には、観客の動員数の上限を5000人か収容率50%の少ないほうとなる。政府、与党内には「その場合無観客にすべきだ」などの声もあり、慎重に検討されている。

東京オリンピックの観客を巡っては、3月に海外からの観客受け入れ断念を決定、組織委員会などは大会の収支悪化を避けるため、観客を入れた開催を模索してきた。国内での観客上限に関しては4月に判断する方針だったが、
変異株による感染の急拡大もあり6月に結論を先送りしていた。

今後、観客の動員上限一万人が正式に決定した場合には、一部の競技場では販売済みのチケットの再抽選など絞り込みが必要になる可能性がある。